セミナ・教育情報

からだに不自由のある方へのeスポーツ支援者入門セミナーの実施について

一般社団法人日本 e スポーツ連合(会長:早川英樹 以下、JeSU)は、
7月27日(土)に、障がいを持つ方のeスポーツ参加を支援する人材の育成を目的としたセミナーを実施したことをお知らせします。

配信元:一般社団法人日本 e スポーツ連合 (2024/07/30)
ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉えるeスポーツは、ゲーム機やPC、スマートフォンを用いて行うため、年齢や性別、身体的なハンデキャップなどを超えて、誰もが一緒に競技を楽しめることが大きな特徴と言われています。

この「ハンデキャップ・レス」という特徴を活かし、これまでも全国各地で、障がいを持つ方々によるeスポーツを通じた社会参画や交流の取り組みが行われてきました。
これらの取り組みには、障がいを持つ方々の二次障害のリスク低減や、社会からの孤立抑止など、さまざまなメリットがある一方で、支援する人材や機器の不足など、今後の普及拡大に向けた課題があることも指摘されています。

JeSUは今年度から、公益財団法人日本財団からの助成を受け、障がいを持つ方のeスポーツを通した社会参加について人材育成と啓発活動に取り組みを始めており、この度初めて入門者セミナーを開催する運びとなりました。

セミナーには、病院や施設、自治体などで障がいを持つ方のサポートに取り組む医療福祉関係者をはじめ、30名に参加いただきました。
eスポーツに関する基礎知識や医療現場における現状に関する講座と、専門的な機材を活用する実践形式のワークショップで構成された5時間以上のセミナーの終了後、参加者には修了証が配布されました。

冒頭の講座では、JeSU医事委員会のメンバーでもある田中栄一先生から、国立病院機構北海道医療センターでの実践例や課題を紹介
手作りのメガネ型装具で視覚障がいの見え方を簡易的に再現し、アクセシビリティに対応しているFlex Controllerによるゲームプレイを体験
まばたきや呼気などで入力できるデバイスや、医療現場で制作されたさまざまな手作りスイッチなど、貴重な端末も体験できた
タッチパネル端末を指で操作できない方のために設定された、ジョイスティック型の端末を顎で操作する環境を実体験
言語機能に障がいを持つ方を想定し、まばたきによる意思疎通や視線入力機器を活用しながら、eスポーツを楽しんで頂く実習
両手を手袋やテープで巻き、操作が難しい環境を作って、PlayStation®5の Access™コントローラーと、通常のゲームパッドの違いを体験
半身不随など、運動機能に障がいを持つ環境を想定し、Xbox Adaptive Controllerの使い勝手を確認
セミナーを締めくくるディスカッションでは、参加者それぞれの現場体験を踏まえ、気づきや課題など、有意義な意見交換が行われた

JeSUは、障がいを持つ方のニーズやアクセシビリティに関する知識を持ち、適切な支援を提供できる人材の増加が、包括的で多様性を尊重した共生社会の実現につながると期待しており、本セミナーに参加された方々には、今後JeSUが関わるeスポーツイベントで講師を務めていただくなど、障がいを持つ方の社会参画や交流に貢献していただく機会を作っていくことを検討しています。

JeSUは今後も、日本におけるeスポーツの振興を通して国民の競技力の向上及びスポーツ精神の普及を目指し、これをもって国民の健康とともに、社会・経済の発展に寄与することを目的として活動していきます。

【日本eスポーツ連合(JeSU)について】
一般社団法人日本eスポーツ連合は、日本国内のeスポーツの普及と発展、そしてeスポーツの振興を目的に国民、とりわけ青少年の競技力の向上及びスポーツ精神の普及を目指しています。
eスポーツの認知向上とeスポーツ選手の活躍の場の更なる拡大を目指し、競技タイトルの公認や選手のプロライセンス発行、そしてアジア競技大会をはじめとした国際的なeスポーツ大会への選手の派遣など様々な取り組みを行っています。
また、以下のスポンサー企業や団体の支援を受け、国内のeスポーツ産業の発展に努めています。